教えてママさん!―幼稚園・保育園の保護者にうかがいました―
2019年10月から内閣府によって施行された「幼児教育無償化」の制度ですが、家計に直結することやメディアなどでも大きく取り上げられたことによって、認知度は子育て世代の約9割にものぼることがわかりました。しかしさらに調査を進めると、子育て支援制度そのものの認知度は低い傾向にあることもわかってきました。
今回のレポートでは、子育て支援制度の利用率や幼児教育無償化制度についての利用率や、制度の認知度など調査結果をもとに解説します。
<Check1> これまでに行政や自治体の子育て支援制度を利用したことが無い方が大半!
これまでに行政/自治体の子育て支援制度を利用したことがありますか ※単位はパーセント
これまでの行政/自治体における子育て支援制度の利用経験を、幼稚園・保育所に通う子供を持つ保護者に質問したところ、「利用したことが無い」という回答が70%と最も多く、「利用したことがある(25%)」「現在も利用している(5%)」を合わせた30%を大きく引き離す調査結果となりました。
ただし子育て支援制度には、保育園職員の処遇改善や妊婦に対しての健康検査など、自分の子供を持つ子育て世代には子育て支援制度の一環というイメージが無いものも多く含まれています。
実際には制度を利用しているにも関わらず、子育て支援制度を利用している認識が無い可能性も大いにあると考えられます。
<Check2> 子育て支援制度の情報がわかりにくいと感じている方が多い
行政/自治体の子育て支援制度について、望むことがあれば教えてください 回答者数:741名(複数回答)
行政/自治体の子育て支援制度について、望むことをうかがいました(複数回答)。
制度そのものに対する不満もありましたが、最も回答が多かったのは「制度のわかりやすい情報開示(453名)」ということがわかりました。
子育て支援制度を利用したことが無い方が、過半数を占めたことをふまえてこの調査結果を見てみると、そもそも子育て支援制度の情報が伝わっていないことや、わかりにくいことが原因だと考えられます。
「自治体で利用できる制度の一覧案内」が欲しいという声も260名あり、どういった制度があるのか伝わるよう、情報の発信方法を改善することが重要だと考えている方が多いことがわかります。
<Check3> 幼児教育・保育の無償化制度の情報は「幼稚園・保育所」から取得できたから認知度が高い?
幼児教育・保育の無償化について、制度内容の理解度を教えてください ※単位はパーセント
幼児教育・保育の無償化について、制度内容の理解度を質問したところ、「理解している(26%)」と「概ね理解している(63%)」との回答が89%で、約9割の方が制度内容を理解していることがわかりました。
子育て支援制度のわかりやすい情報開示を求めていた方が、半数以上いた調査結果を鑑みると、この数値は非常に高いことがわかります。
幼児教育・保育の無償化について、どこで情報を取得しましたか 回答者数:741名(複数回答)
続いて幼児教育・保育の無償化について、どこで情報を取得したのかうかがいました。複数回答を含めた人数ではありますが、最も多かった回答は「幼稚園・保育所」でした。「テレビ等のメディア」という回答が372名なので、メディアと同じくらい幼稚園・保育所からの情報が一番の取得要素になっていたことがわかります。
子育て世代にとって、幼稚園・保育所からの情報がいかに大きな割合を占めているかが予想できるでしょう。
<Check4> 浮いたお金は家庭や子供のために使う傾向にある?
支援制度で支出が減った際、検討したいことはありますか 回答者数:741名(複数回答)
子育て支援制度で支出が減った際、検討したいことについて質問したところ(複数回答)、最も多かったのは「貯蓄したい」という回答で、438名でした。
続いて「子供に習い事を始めさせたい(324名)」「生活費に充てたい(278名)」の順に回答が多い調査結果になっています。
「貯蓄したい」と回答した人のなかには、「将来かかる子供の学費のために貯蓄したい」という人がいることも予想されるため、保育料分の減った支出は家族や子供のために使いたいと考えている人がほとんどであることがわかります。
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